突然の「あなたは誰?」——お風呂で起きた見当識の揺らぎと、その後のこと

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体験記

?になった瞬間

お風呂につかってゆっくりしていたヤシさん。

でも珍しく目を閉じながら、どこか少ししかめっ面をしていた。

「どうしたの?」と声をかけると、返ってきた反応が少しおかしい。

続けて声をかけると、ぼーっとした表情で

「えっと、家族なのかな?

え?誰のこと?と思って確認したら……まさかの私のことだった。

突然「あなたは誰?」が、妻である私に向けられるなんて。一瞬固まった。

でも不思議と、慌てる気持ちは湧いてこなかった。

私が誰だかわからないの?

そう聞くと、ヤシさんは穏やかな顔で「うん」と答えた。

ふざけているのかなとも思って、もう一度確認する。

「ほんとに、わたしが家族か分からない?」

「うん、分からないんだよね」

そう、なんだ……ショック……なような、そうでもないような、、、不思議な気持ち。

ただ、正直に言ってくれる方が状況が分かりやすいし、対策も考えられる

「私はヤシさんの妻だよ。結婚した相手だよ」

「結婚?…ああ、そうか。それが分かってなかった」

「思い出した?じゃあわたしの名前は?

沈黙。

「ミ、ミがつくよ?」

「ミ……ミ……ユーちゃん(いとこ)なら分かるけど…」

「苦笑(いとこなら分かるんかーい!)じゃあ、あなたの名前は?

「僕の名前?僕はヤシだよ」

お母さんや弟の名前も答えられた。

でも、私の名前だけは出てこない。

「ミーだよ、ヤシさん。ミー」

「ああ、そうそう、ミーだ」

「知らない人がなんでいるんだろうって思ってたの?」

「うん、おかしいなあって思ってた

「それはこわかったね。今は大丈夫?」

「うん、今は平気」

三、四分のやりとりで、いつものヤシさんに戻ってきた。

お風呂に入る前のことは覚えていたし、どうやら寝起きのような感覚だったらしい

一時的な揺らぎの様子や原因

ここまでハッキリとした見当識障害は初めてで、一瞬戸惑った。

でもヤシさんは「分からない」と言いながらもパニックにならず、

お風呂場に一緒にいることも拒否せず、

受け答えをしながら状況を理解しようとしていた。

そして、数分で少しずつ思い出していけた。

だから今回は、お風呂・眠気・ぼんやり感といった条件が重なり、

一時的に見当識が揺らぎやすい瞬間だったのだと思う。

見当識障害という言葉

余談だけど、「見当識障害」ってよく“時間や場所が分からなくなる”と説明される。

でも私は「見当がつかなくなる」という表現のほうがしっくりくる。

だって、私たちでもぼーっとして自分の状況を理解できない瞬間ってあるもの。

そういう時って迷子になって、どこに答えがあるのか見つけられない、見当たらない。

だから「見当(認)識障害」というのかな、と勝手に一人で納得がいった。

本当に忘れてしまっても、、、

わたしのことを忘れないでほしい——その気持ちはもちろんある。

でも、もし忘れてしまう日が来ても、

ヤシさんが「この人といると安心する」と感じられる存在でいたい。

できる限り怒らず、優しく寄り添いながら、

一緒に笑って過ごし続けたい。

ヤシさんの力も借りながら、これからも二人で楽しく歩んでいきたい。

そんなふうに決意を新たにしたひと場面でした。

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