
認知症はできれば避けたい病気
「認知症にだけはなりたくない」これは、多くの人が口にする言葉です。
正直なところ、私もそう思っていましたし、いずれにしてもまだ先の話だと思っていました。
それがまさか、結婚して10年目の夫が「認知症」と診断されるなんて…信じられませんでした。
でも、なってしまったものは仕方がありません。
だったら――
「少しでも進行を遅らせたい 」
「生活の質を大切にしたい 」
「笑顔で過ごす時間を増やしたい」
そんな思いを形にするため、このブログを書き始めました。
日々の暮らしには葛藤や悩みもあります。
時には「善意のつもりの言葉」が逆につらく感じることも…。
でも、多くは“知らないから”起きることだと思います。
だから、少しずつでも「若年性認知症」との生活を知ってもらえたら嬉しいです。
この記事は、私たち夫婦の体験をもとにした一例です。
症状や状況は人それぞれ違いますが、参考になれば幸いです。
若年性認知症とは
認知症というと「高齢の方」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、65歳未満で発症した場合は、若年性認知症と呼ばれます。
「まだ働き盛りの年齢」で診断を受けるため、経済的・社会的な影響も大きく、本人にも家族にも、大きな戸惑いと葛藤が生じます。また、認知症の進行が早いとか、余命が短いともいわれています。
夫のヤシさんの場合は、2023年の春、48歳の時に診断を受けました。そこから拠点とする住まいや、軸としていた生活スタイルをぐるりと変える必要がありました。(この話はいずれまた形にできればと思っています。)
若年性認知症と向き合っていくなかで感じること
どんな病気にもそれぞれの辛さがあると思っています。
若年性認知症の場合は、一見するとまだ若くて元気そうに見える分、周りからはなかなか理解されにくいこともあります。
それでも、「できていたこと」が「できなくなっていく」姿。
それを目の当たりにすると、なんとも言えない悔しさや切なさ、そして大きな不安がわきあがります。「あとどれくらい一緒に過ごせるんだろう…」と、ついカウントダウンのように考えてしまうことも少なくありません。
「なんとかして少しでも進行を遅らせたい。」その願いが強いからこその、一喜一憂の日々。
・当たり前にできていたことができなくなっていく恐怖
・日々変わっていく症状へのもどかしさと不安
・働くこと・生活をどう続けていけるかの不安
・「認知症」という言葉で判断される切なさ
こうした要因が積み重なって、日常の中でふとした瞬間に心を揺らすことがあります。
「認知症だから」ではなく「その人だから」のサポートを
「認知症=何もできない」ではありません。
「若年性=元気に動ける=問題なし」でもありません。
その人は、変わらず「その人」です。
できることもたくさんありますが、同時に「できないこと」や「できなくなっていくこと」もあります。
だからこそ「この人はこれが得意、ここはサポートが必要」というふうに、一人ひとりの特性として理解していただけるとありがたいです。
声かけはぜひ本人に
家族に声をかけていただけるのももちろんありがたいです。
でも、何よりも本人に声をかけていただけることが、いちばんのケアになります。家族以外の人と話すことで気分転換になったり、自分が社会とつながっていると感じられることもあるからです。
そして、声をかけられた本人が嬉しそうに他の人と話している姿を見られること、それだけで、家族はほっとするしうれしくなります。
「大変だね」と言われるより、友人やサポーターと楽しそうに過ごす一瞬を見られる方が、ポジティブな力になります。
笑顔の時間を大切に
「笑顔で過ごせる時間が少しでもたくさんあること。」
それが、本人にも家族にも、認知症と付き合っていく上で大きな助けになります。
いつも支えて、一緒に笑ってくれるみなさん、本当にありがとうございます。

コメント